習作1

不安の底というものにぶち当たるとすれば,それはきっと今なのだろうと思う。

何もわからないふりをして,長い間曖昧にしてきた物事が,はっきりと実体を伴って,眼前に正体を突き付けてくる。

(死んでしまいたい)

何度も思ったことを,ぎりぎりの淵で何とか思いとどまって,忘れて,翌日には同じことをまた思っている。

忘れられない夢のように,そんなことを,今日もまた繰り返している。

自分の中でだけ,特別な色を持っているかのように,世界は回り,今日もまた一つ老いていく。

時限爆弾のようだ。

作為も不作為も同等に,皆いずれ死ぬ。

それがいつかは誰にもわからないのに,それだけは確かで,現実感がまるでない。

いつしか毎日の中に埋もれていく。

そうして,今日もまた,生きることを選択している。

生からも死からも,逃れられない。

不安の中に生と死の混沌がある。

だから,わたしはそれを恐れる。

ふと開いた隙間に,待ち受ける混沌が,甘く意識を誘い出す。